2006年01月01日
地方防災というオルタナ
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「大規模な防災訓練を実施するよりも、地域ごとの実状にあわせた小規模な地域防災訓練の方が、費用対効果の面でも、実践的訓練としても遙かに有効ではないのか。」 これは、今年の三月定例議会で、地域防災について質問をおこなった時の文言である。ここでいう「地域防災」という考え方は、かの阪神・淡路大震災の教訓から生まれてきた考え方のひとつである。 例えば首都圏のベットタウンに当たる市街地で、大規模な地震に見舞われ、同時多発火災や家屋の倒壊が起きたことを想定してみよう。交通が遮断される状況の下で、限られた物資、人員で被害を最小限にくいとめるためには、住民自身が「自分で自分を守る」ための備えをしておくことがなにより有効である。 さらに災害時の状況によっても、救助のあり方は変わってくる。夜間なら、警察、消防、市職員の配置など初動の救助体制を組むことに遅れが生じる。平日の昼間なら、在住人口は少なく、子供や高齢者が多くなる。こうした状況の変化にあわせて「住民相互の助け合い」を可能なものにしていく、そうした自主防災的な研究やシュミレーションは必要ではないのか。 こんな問題意識から、今年の1月17日、私の住む地域で地域防災訓練がはじめて実施され私もそれに参加した。 対象となった地域の人口規模はおよそ約三千人。公民館を中心に三つの町会の範囲から、周辺に居住する市職員、消防団員の集合訓練や、それぞれの役割確認をおこなった。さらに地域の企業や障害者団体などにも参加してもらい、訓練は百八十一名でおこなわれた。 各町会ごとに集合した住民は、消火訓練、簡易担保づくり、人工呼吸、さらに倒壊家屋からの救助訓練などを受けた。この点が今までと大きく違う点なのだが、防災訓練といえば、従来は警察消防の部隊訓練や指揮系統確認が主な項目であり、住民の参加は避難誘導か、せいぜい家庭での火元確認の方法などに限られていた。実際に目の前で災害が発生して、自分が何かをおこなうという訓練は、参加してみてずっとおもしろかった。 もちろん集合場所となっている公民館への避難誘導もおこない、一方で住民の安否確認の手法を確認していった。また集合地点ではNTTの「災害伝言ダイヤル」を使ったシュミレーションもおこなわれた。折しも関東地方は小雨から雪に変わる悪天候の日であったので、訓練は臨場感もあり、参加した住民からも大変好評を得たのである。 質問の話に戻ろう。 「費用はどの程度かかったのか」「すべて町会費、消防署それぞれの費用でまかなわれておりますので、市としては費用をかけておりません」。 「今後同様の訓練を拡大していく計画はあるか」「消防団、消防署の負担を考慮すると一年度内に複数箇所でおこなうことは難しいと思われます」。 こちらが金がかからず、効果があるのだからもっとやれといっているのに、市としては費用をかけていないけれど、その分消防署の負担になるので、そう何度もはできないとこの答弁者はいいたいのである。うまい逃げ方をするなあ・・。 ここで冒頭の質問。「大規模訓練(といってもこの場合は2市2町の合同訓練のことなのだが)よりも、地域防災訓練の方が有効で実践的ではないのか」。答えは「比較の対象になりません」「両方が必要だと思われます」といったありきたりのところで、質問は終わってしまった。 じつはこうした「地域防災」の考え方で「防災」について研究を重ねてきたのは、小さな民間のサークルである。この手のサークルは「保守的」と見られる人が多いので、私が防災を質問に取り上げて驚かれたが、このサークルがやっていることはなかなかユニークなのだ。小学校の校庭を借り、地域の人を誘って、テント生活をする。そこででた問題点を整理し、避難生活に必要なノウハウの蓄積を試みる。いま「防災」と名前を付けると莫大な予算が降りてきて、「防災公園」とか「耐震工事」とかが大流行だが、そんなことに金をかけるより、こうした住民自身のなかに経験と研究を広げた方がよほど有効なはずだと私は信じている。 |

